あんがと


誰にでも思い出はある。


A「もし『ありがとう』って残り10回しか言えなかったらどうする?」
B「それを言ったらどうなるの?」
A「・・・・」
B「・・・そうだなぁ・・・親かな。」
A「あとは・・・・?」
B「めんどくさいから、全員に『今をありがとう』って言ってみる。聞こえるように。」
A「なんか、わかりそうでわからないなぁ。。。」
B「じゃお前は誰に言うんだよ」
A「俺か?・・そうだなぁ・・・今俺の周りにいる人全員にありがとうって言っていくよ。」
B「親とか兄弟とかもいるじゃんか?もし、それよりどうでもいいやつばっかだけにありがとうって言って、本当に大切な人に言えずに死んじまったらどうすんだよ?」
A「それでも後悔しないよ。
目の前に居る人が伝えるべき人だから。そうやって生きてられてるから。」
B「う~ん・・・」
A「要するに、ありがとうって言える距離が近い順から言っていけば後悔しないってこと。」
B「そっか。。。」
A「ありがとうって思って、ありがとうっていうことと、言わなくちゃいけない状況に追い込まれて言うありがとうと、明らかに感情の伝わり方は違うよね?だから、残りちょっとしかない気持ちで目の前に居る人にありがとうって言えたら、いっつもあったかいし、うれしいよね?言われてるほうも残りの数回を僕に使ってくれたって思うから、そいつも、またありがとうとか言っちゃったりして(笑)」
B「なんか難しいなぁははは(笑)」
A「わけわかんない話になったな(笑)」
B「とりあえずありがとうって俺に言っておけよ(笑)」
A「・・・あんがとな(笑)」
その数日後にAは入院して、一年後には連絡がとれなくなった。
ある蒸し暑い夏の思い出。

あんがと

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